第2回 岩村マエストロの演奏会レポート
2015年の浜松フロイデ合唱団「第九」指揮者である岩村力氏とは2009年にも共演させていただいています。その2009年「第九」演奏会前の岩村マエストロの演奏会感想レポートをアップします。
~学習院OBブラームス合唱団第15回記念定期演奏会~
日 時 | 2009年7月12日(日) |
会 場 | 東京オペラシティコンサートホール |
演奏曲目 | ぺルト/スンマ ブラームス/ドイツ・レクイエム op.45 |
演 奏 | ソプラノ:平井香織 バリトン:高田智宏 合唱:学習院OBブラームス合唱団 管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 指揮:岩村力 |
1曲目は、現代エストニアの作曲家/アルヴォ・ぺルトの「スンマ」という曲であった。
元々は、4人のソリストによる重唱曲とのことであり、合唱版もあるらしいのだが(私はこの曲自体を聴いたことがないのだが)、今回は声楽抜きの弦楽合奏版としての演奏であった。
聴いてみて、現代の癒しの音楽を代表する作曲家らしいエレジー風の音楽であった。
東京シティ・フィルの弦楽の響きが良かった。
5~6分の1曲目の後に、休憩なしで「ドイツ・レクイエム」の演奏が始まった(なかなか考えられたプログラミングだと思った)。
まあ、それにしても「ブラームスの演奏は難しいのだろうなぁ・・・」と、あらためて感じたのだった。
ベートーヴェンとは違い、滔々とした大河の流れ、息の永いフレーズ、その大きなメロディラインを掴みながらもダレさせず、緊迫感を持続させるのは至難の業だと思うのだ(もちろん、ベートーヴェンは別の意味での難しさがある)。
岩村さんの指揮に応えての合唱が素晴らしかった(ドイツ語特有の語尾子音の響きがよく聴こえて気持ち良かった・・・?)
岩村さんの大きな指揮が、それこそ大きなメロディラインを、左腕全体を使っての大きな弧を描くサインが随所に見られたのが印象的であった。その雄弁でありながらも、常に開放的な指揮ぶりに感心したのである。
今年の我々の第九が、本当に楽しみになったのだ。
合唱団は最後まで、岩村さんの指揮表現の素晴らしさに乗せられて、活き活きとした感動的なメッセージを伝えてきた。