1981年から毎年「第九」を歌い続ける、浜松を中心に活動する市民合唱団です。

第3回 「歓喜に寄す」全文

皆さんよくご存じの “Freude, schöner Götterfunken” で始まるシラーの「歓喜に寄す」ですが、全文をお読みになったことはあるでしょうか? 実は、ベートーヴェンが「第九」の中で採用したのは、この長い詩のほんの一部分です。「第九」初演当時、この詩は非常に有名で多くの人が暗誦できたといいます。
この詩の壮大な世界観をぜひご堪能ください。

歓喜に寄す (フリードリッヒ・フォン・シラー)

1.
喜びよ、美しい神々の閃光よ
楽園の世界の娘よ
私たちは足を踏み入れる、炎に酔い痴れつつ
天なるものよ、そなたの聖所へと
そなたの魔力の力は再び結びつける
世の中の時流の剣が分け隔てていたものを
乞食が王公の兄弟になるのだ
そなたのその柔らかな翼が憩うところで

抱き合おう、幾百万の人々よ!
このキスを全世界に!
兄弟たちよ、星の輝く天幕の彼方に
慈愛に満ちた父が絶対に居るに違いない

2.
大きな幸せを得たもの、
ひとりの友の友となり
優しい妻を得たものは
その喜びを共にしよう!
そうだ、たとえたったひとつの魂であっても
自分のものと呼べるものが世界の中にあるのならば!
そしてそれができないものは、そっと出て行くしかない
涙しながらこの集まりの外へ!

この大きな環に住むものらは
共感を尊びはぐくめ!
それは我々を星の世界に導く
あの未知なるもの(主)が君臨しているところへ

3.A
喜びを飲む、全ての生きとし生けるものは
自然の乳房から
全ての善きもの、全ての悪しきものも
その薔薇の道を追い求めて行く
喜びは私たちにキスと葡萄(酒)とを与えた、
そして死の試練を乗り越えた友を
快楽は虫に(も)与えてしまい(与えられ)
そして天使ケルビムは立っている、神の前に

お前たちはひざまづくことはないのか、幾百万の人々よ?
創造主を感じられるか、世界よ?
彼を星の輝く天幕の彼方に探せ!
星の彼方に彼は必ずや居るに違いない

4.
喜びは力強いバネだ
久遠の自然の中において
喜びよ、喜びこそが歯車を回す
その巨大な宇宙時計において
それは花々をつぼみから誘い出し
恒星たちを天空から(誘い出し)
天球を空間で回転させる
予言者の遠眼鏡が知らぬところで

朗らかに、創造主の恒星たちが飛び回るように
壮大な天空を駆け抜けて
進め、兄弟よ、お前たちの行く道を
喜びに満ちて、勝利に向かう英雄のように!

5.A
真理の炎の鏡の中から
それは探究するものに微笑みかける
美徳の険しい丘に
それは耐え忍ぶものの道を導く
信仰の輝ける山々の頂には
その旗が風にひるがえるのが見え
砕かれた柩の裂け目からは
それが天使の合唱の中に立っているのが(見える)

耐え忍べ、勇気を持って、幾百万の人々よ!
耐え忍べ、より良い世界のために!
星の輝く天幕の彼方の天国で
大いなる神が報いてくれるだろう

6.A
人が神々に報いることはできない
しかし神々に倣うのは素晴らしいことだ
悲嘆にくれるものも貧しいものも出てこい
朗らかなものと一緒に喜べ
怒りも復讐も忘れてしまえ
不倶戴天の敵も許すのだ
彼に涙を強要するな
悔恨が彼を苦しめるようにと願うな

貸し借りの帳簿は破り捨ててしまえ!
世界全てが和解しよう!
兄弟よ 星の輝く天幕の彼方では
神が裁く、我々がどう裁いたかを

7.A
喜びは杯に湧きかえる
葡萄の黄金の血のうちに
残忍なものは優しい心を飲み込み
絶望は勇気を(飲み込む)
兄弟よ、お前たちの席から飛び立て
なみなみと満たされた大杯が座を巡ったら
その泡を天にほとばしらせよう
このグラスを善き精霊に!

星の渦が褒め称えているもの
セラフィムの聖歌が賛美するもの
このグラスをその善き精霊に
星の輝く天幕の彼方にまで!

8.A
重い苦悩には不屈の勇気を
無実のものが泣いているところには救いを
固い誓いには永遠を
友にも敵にも真実を
王座の前では男子の誇りを
兄弟よ、たとえ財産と生命をかけてでも
功績には栄冠を
偽りのやからには没落を!

神聖なる環をより固く閉じよ
この黄金の酒にかけて誓え
誓約に忠実であることを
これをあの星空の審判者にかけて誓え!

9.A
暴君の鎖からの救出を
悪人にもまた寛大さを
死の床で希望を
処刑台で慈悲を!
死者もまた生きるのだ!
兄弟よ、飲み、そして調子を合わせよ
全ての罪人は赦され
そして地獄はもはやどこにもない

朗らかな別れの時!
棺衣にくるまれた甘美な眠り!
兄弟よ 優しい判決を
死の時の審判者の口から!

(編集文責:学習係 深沢啓二)

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